未勝利戦を制するものが、馬券を制す

epic Racing編集部 2019/12/10 14:24

ちょっと大袈裟なタイトルにしてみました。
自分ではそうでもないと思っています。

師走となり、今年も有馬記念の時期になりました。
今年はアーモンドアイが出走するということで、例年以上に盛り上がることでしょう。
個人的にも、とても楽しみにしています。
もちろん純粋に、競馬として楽しみます。ギャンブルとしてです。

今年は特にハイレベルなメンバー構成で、正直何が勝っても驚けません。
仮にアエロリットが逃げ切ったとしても、私は全く驚かないですね。
それぐらい、濃いメンバー構成です。
トリッキーなコースでもありますし、枠順や流れ一つで、何でもアリですね。

多くの競馬ファンは、G1をはじめとする重賞に注目しています。
応援している馬が走ったり、メディアが取り上げて注目度も高いです。
どうしても、盛り上がってしまいますよね。

日本ダービーや有馬記念ともなれば、普段馬券を買わない人も、競馬に参加します。
これはこれで、とてもいいことだと思います。
やっぱり少しでも、競馬が盛り上がってほしいですからね。

しかし…しかしです。
重賞って、そんな簡単に的中できますか?

予想を配信する立場として、重賞は当然予想します。
しかし結果は、4着や5着6着。
要するに「惜しい」結果になることが多いです。

重賞で本命に推奨した馬が、高確率で掲示板を確保します。
これはある意味、予想はほぼ正しかったと言えると思います。
でも馬券は、3着までに入らなければ、不的中となりお金を失います。

予想がほぼ正しかったというのは、多少語弊があるかも知れません。
言いたいのは、それだけレースのレベルが高いということです。
レベルが高くなるに従って、予想の難易度も高くなります。

そりゃそうです。
重賞まで上り詰める馬というのは、本当に強い馬たちです。
未勝利や新馬を勝ち上がり、更に条件戦も勝ってきています。
多くの経験を積み、その道のスペシャリストが集まるのが重賞です。
何が勝っても驚けないのは、理解していただけると思います。

その難解なレースを頂点に、競馬は開催されています。
最も難解なレースが、最も注目度が高く、盛り上がるようになっています。
重賞はやらないと言っているのではありません。
最も難解なレースで、勝負する必要はないんではないかと、言っているだけです。

さて、ここから未勝利戦についての話です。

重賞が競馬の頂点なら、未勝利戦は最底辺のレースです。
新馬戦はまた違いますので、ここでは省き除外します。

未勝利戦というのは、基本的に1回以上出走し、そこで負けた馬たちの集まりです。
未出走の馬も未勝利戦に出走しますが、それはその都度判断するしかありません。

どの馬も早く1勝をあげたいわけですが、このまま未勝利で終わる馬も、同じレースで走ります。
勝ち上がる力を持つ馬と、1勝もできない馬が、一緒に走るのが未勝利戦です。
この両者の差は、とてつもなく大きいです。
展開や枠順ぐらいでは、逆転することは不可能です。
それぐらい大きな実力差があります。

未勝利戦は、中距離戦でも縦長になります。
スローペースで流れても、馬群が一団になることはありません。
これは単純に、ついていけない馬が相当数いることが要因です。

未勝利馬が後方で、ジックリと脚を溜めることはありません。
後方にいるのは、単純についていく体力がないためです。
未勝利戦で後方で溜めた馬が、直線で一気に差し切ることは滅多にありません。
要するに、未勝利戦でまず重要なのは、先行する脚があるかどうかです。
先行できて、距離に対するスタミナがある馬から、順番に勝ち上がっていきます。

まずは1勝。
JRAで競馬に参加するためには、これは必須条件です。
逆に言えば、1勝さえすれば、2勝目はあげなくてもいいんです。
ずっと1勝クラスに在籍したとしても、上位に入れば賞金は稼げます。
そういう意味で、未勝利戦はガチ度が違うとも言えます。

未勝利戦は出走ラッシュですから、特にダートはフルゲートになりやすいです。
重賞のフルゲートは、どの馬にもチャンスがあると仮定すれば、非常に難解です。
文字通り1/16のレースになります。

しかし未勝利戦のフルゲートは、そうではありません。
だいたいの目安ですが、半数以上はノーチャンスの馬が含まれます。
フルゲートでも、実質1/8から1/5 程度レースがほとんどです。
それぐらい、未勝利戦のメンバーには、大きな力差があります。

これは誰が考えても、馬券を獲りやすいと感じると思います。
でも何故か、馬券の売り上げは少ないです。
朝っぱらからやりますし、まだ寝ている人もいるでしょう。
名前を聞いても知らない馬ばかりで、やる気も起きないんだと思います。

メインレースが控えているのも要因ですね。
楽しみにしているメインレースの前に、未勝利戦なんかで負けたくない。
そんな感情が芽生えるのかも知れません。

後半のレースを中心に馬券を買って、一体どのくらいの人が勝っているでしょうか。
大半が負けているはずです。
前述したように、競馬は後半になるほど難解になります。
難解なものに大半の資金を投入するわけですから、負けるのは至極当然のことです。

それでも、競馬は趣味だからそれでいいと、納得できる方はそれでいいわけです。
その考えを変えようとまでは、私は思いません。
極端な言い方をします。
もし後半のレースを一切やめて、未勝利戦だけ買えば、馬券の収支は上がります。

的中しやすいレースに資金を張り、難解なレースを見送る。
このごく普通の思考を実行するだけで、収支は逆転する可能性があります。

JRAの思惑通り、大半の人が難解な条件に、自分から飛び込んでいます。
その人たちに流されていては、私は競馬では勝てないと考えています。

重賞は盛り上がって、面白いです。
未勝利戦は地味で、面白くないかも知れません。

美味しいものは体に悪く、不味いものは体に良くないですか?
競馬も同じことじゃないかと思います。
周りは盛り上がってなくて、盛り上がっているのは自分だけ。
でもその結果が勝利なら、ストレスフリーでとても楽しいです。
ストレスは万病の元ですからね。極力抱えない方がいいです。

競馬をやりながらストレスを抱えない方法は、やはり安定した収支をあげることです。
的中しやすい未勝利戦で収支を改善し、ゆとりを持ってメインレースを楽しむ。
この形を確立できれば、もっと競馬を楽しめるのではと思います。

未勝利戦の良さは、色々とあります。
長くなりますので、これについては、また次回に続きます。