#1 サトノギャロスみたいな危ない1番人気を見つけよう

2019/10/23 08:52

月曜日のテレビ静岡賞に、典型的な危ない1番人気が出走していました。
3歳馬で単勝1.7倍の、サトノギャロスです。
専門紙には◎が並んでいましたので、多くの人がそれを信じたんだと思います。
この馬の戦績を確認すれば、1倍台に推されるはずがありません。
いかに多くの人が、専門紙の印に流されているかが分かります。
専門紙の記者達は、いったい普段何を観察してるんだろうと感じましたね。

このレース、私はハルクンノテソーロを狙って5着でした。
ですから偉そうに言える立場ではありません。
しかしサトノギャロスは自信を持って切りましたので、その根拠を説明しようと思います。

嫌った理由は、大きく分けて2点あります。
まず、ダート路線のこの世代のレベルです。
この世代にはクリソベリルという大物がいますが、強いのはこの馬だけではないかと思っています。
3歳のJRAダート重賞は、ユニコーンSとレパードSがあります。
これらのレースで、上位に入った馬達のその後を見ていきましょう。

まずユニコーンS。
勝ったワイドファラオは、次走の交流重賞で地方馬に負け。
2着のデュープロセスは、次走のオープン特別で古馬に歯が立たず。
4着ヴァニラアイスも、オープン特別を勝てずにいます。
6着アシャカトブは、3勝クラスで負けました。

次にレパードSです。
3着のトイガーは、2勝クラスを勝った後、3勝クラスで負け。
4着のブルベアイリーデも、3勝クラスは突破できませんでした。
今回人気だったサトノギャロスは、これらに続く5着でした。

この2つの重賞で好走した馬が、その後古馬相手に結果が出ていないのが分かります。
そんな中での、今回のサトノギャロスの1倍台。
さすがこれは疑うのが普通ではないでしょうか?
「いや、一緒に走ってきた馬、古馬に通用してないよ?」と感じていたわけです。
外枠で人気薄なら、狙っても面白い存在ですが、この配当なら嫌ってこそでしょう。
すぐに消しの結論を出しました。

もう1点は、やはり乗り替わりです。
石橋脩がダメと言うんではなく、この馬は川島でないと厳しいです。
今回川島は乗れませんでしたので、乗り替わりは仕方ないことです。
ですが今回は、マイナス材料になりました。
サトノギャロスが2勝クラスを勝ち上がった時、鞍上の川島は「物見をして進んでいかなかった」とコメントしています。覚えていらっしゃるでしょうか?
レース内容は強かったんですが、裏を返せばまだ馬が子供で、レースを教えている段階ということです。
持っている能力は高いが、それを発揮するための経験が足りないのが現状でしょう。
その辺りの癖を掴んでいる騎手と、そうでない騎手では、自ずと結果に差が出ます。
特に今回は内目の枠でしたし、気難しい面を出すかも知れないと思っていました。

以上2点が、今回サトノギャロスを嫌った主な理由です。
「そんなこと分かってた」方は、そのままでいいと思います。
その感じで観察を続ければ、自ずと無駄な馬券を買わなくて済むでしょう。

今後も条件戦で人気になりやすいのは、キャリアが少ない3歳馬です。
そのクラスで頭打ちの古馬より、伸びしろを期待できる3歳馬。
世間や専門紙の目は、どうしてもそっちに行きがちです。
しかしダート路線は、芝に比べて代謝が悪く、揉まれてきた古馬はやはり強力です。
なかなかその壁を打ち破るのは大変で、クリソベリルクラスなら別ですが、簡単ではありません。
その基本を頭に置いておき、3歳馬が出てきた時に、更に精査する。
そうすることで、専門紙の印で被害を受けなくて済みます。

条件クラスの古馬は層が厚く、これらを全て把握するのは大変です。
しかし3歳馬に限定すれば、ある程度は把握できると思います。
毎年3歳馬に注目するだけで、一つの物差しになりますので、注意してみるといいと思います。

条件戦の専門紙の印なんて、結局どこも似たようなもんです。
それを参考にしていては、大衆の予想と変わらないでしょう。
結局専門家と呼ばれている人達も、よく分かってないんですよ。
そういうのは普通の予想であり、旨味は感じません。
外れたと思って見送って、その資金を自分だけで予想したレースに回した方が、充実した一日を過ごせると思います。
でないと、外れた時に、何故外れたかが理解できないはずです。

専門紙の印や、近走成績での予想は、誰でもやっている「普通の予想」です。
「普通の予想」で馬券を買ってもいいのは、未勝利戦だけだと思います。